米国株はどうなる?
ここのところ、日米ともに株価がさえない展開でしたね。
株価が下げた理由はいくつかあります。
株価を占うには実は、原油価格の推移を見てみるとよいです。
というのは、原油価格が下がると石油会社の利益も下がるからです。
アメリカの株価指数には、当然、石油会社の株価も反映されているため、原油価格が下がることは、アメリカの株価にも影響がでてしまうわけです。
もう一つ見過ごせない要因は、アラブ人が石油で儲けたお金で株を買っていたことです。
そのため、原油価格が下がったことで損したアラブの投資家は、その損を穴埋めするために株を売ってくるということになるわけです。
では、原油を減産して原油価格を維持すればいいのでは、と思うかもしれませんが、これも簡単にはいきません。
というのは、ロシアのようなOPEC非加盟国の産油国もあるので、OPECだけで原油の生産量を割り当てようとしても、非OPEC加盟国が原油を増産してしまうから意味が無いのです。
アメリカもシェールオイルを産出するため、原油価格を高く維持しようとしても、シェールオイルの参入を増やすことになります。
それから、石油の代替品として、バイオテックで農産物からもオイルを作れます。
このオイルのことをエタノールというのですが、このエタノールはブラジルの国策で、ブラジルで売られている自動車はエタノールに対応しています。
原油価格を維持しようとすれば、代替エネルギーの開発も促進してしまうことになります。
それから、原油価格が下がれば、高いうちに先物で原油を売っておこうという考えが強まります。
そのため、原油価格について株価にはネガティブな影響を与えているわけです。
次に、トランプ大統領の政策です。
アメリカと中国の貿易戦争が株価にマイナスの影響を与えているのです。
というのも、トランプ大統領が中国からの輸入品に高率の関税をかければ、アメリカ企業の利益が下がるからです。
どれくらいの影響を与えるのかというと、例えば、AppleのiPhoneについては来年の1月1日から関税を25パーセントに引き上げる見込みだということです。
いまや、アメリカ企業はアメリカ国内では商品を製造しておらず、工場を中国において、中国で生産する商品をアメリカに輸入することで利益をあげています。
トランプの目的は、中国をはじめとする新興国に投資されていたアメリカ企業の資金や工場をアメリカ国内に呼び戻すことです。
このトランプ大統領の目論見がうまくいくとは思えません。
アメリカ企業が中国にとどまるにしても、アメリカ国内に帰ってきたとしても、国際的な競争力が低下することは間違いないからです。
今度のアメリカ大統領選挙は二年後にひかえていますから、その間になんとか、トランプ大統領は再選するために、有権者に受けがいい政策をだしてくるでしょう。
そのためには日本叩きもするかもしれないのが懸念材料ですね。
もちろん、日本企業の工場も中国に進出していますが、中国で生産した商品がアメリカに売れないでは意味がないので、このあたりも気がかりなところです。
この中国とアメリカの貿易戦争というのはあきらかに中国には分が悪いのですが、もともと、アメリカ企業の中国市場参入に対する障壁があるので、中国だけが儲かる仕組みを作ろうとしていたため、自業自得とは言えるのですけどね。
ただ、今回のアメリカ株の低迷で今後どうなるかは注目すべきところです。
というのは、アメリカ株というのはITバブルの崩壊もリーマンショックも乗り越えてきて株価が長期的には上昇しているからです。
そのため、五年後十年後を見据えた長期的な目線で見ていくのが重要です。
アメリカ株に投資するのは昔と違って日本からでも簡単にできるようになっていますが、どの企業の株が上がるのはまったく予想できないところなので、おすすめはSP500やNYダウに連動している投資信託に投資することです。
株価が暴落しているときは株のバーゲンセールなのでこんなときだから株に強気でいくべきところでしょう。