お金は今後どうなっていくのか?
日本では現金主義の人が多く、それがキャッシュレス化が遅れている原因の一つだと言われています。
よく知られているように、アメリカでは小切手とクレジットカードがよくつかわれていて、現金はあまり使われていません。
偽札が多く流通しているというのもあり、高額な買い物で現金が使用されることはほとんどないのです。
お金の歴史をからいっても、現金が使われていた時代というのはそれほど長いわけではありません。
大昔のお金のなかった時代は、もし、自分が欲しいものがあったとすれば、自分が持っているもので、それと同等の価値のあるものとの物々交換すれば良かったからです。
漁師が農家に行って、自分の魚とコメを交換するなんてことをしていたわけです。
その物々交換が進化すると、だれでも欲しがる価値のある物である、金との交換をするのが普通になってきました。まさに、これがお金です。
つぎに、金との交換を保証する証書が流通しました。
これが紙幣のもととなり、時代が進むとこの紙幣の発行を国家が独占するようになります。
本来、紙幣と言うのは単なる紙にすぎないのですが、その信用の裏付けとして金が用いられていたわけです。
現在では、紙幣はその金との交換を停止されておりますが、各国の中央銀行は信用の裏付けとして大量の金を保有しています。
これが例えば原油の生産国では、原油がだれでも欲しがる価値のあるものですから、原油とドルの交換がされることで経済力の源となっています。
これはオイルダラーとも呼ばれていて、原油は持ち運ぶことは難しいものの、ドルと交換可能であることから、実質的にはお金と同じようなものとなっているわけです。
仮想通貨もこれと同じで、ドルと交換可能な時点で、実質的にはお金と同じになっています。
よくありがちな仮想通貨に対する批判として、仮想通貨には本質的には価値がないとされています。でも、市場でドルと交換可能なのですから、その批判は意味がないのです。
あるものに価値があるかどうかを決めるのは市場の仕事であって、政府の仕事ではありません。
そんなことを言ったら、ドルにしても円にしても単なる紙切れにすぎないわけですからね。
ドルや円に価値があるとみんなが思い込んでいるのは、ドルや円で自分の欲しい商品と交換できることから、自分の資産をドルや円で保存している方が便利だからですね。
もし、自分の欲しいものが自由に買えるのならば、自分の資産は原油でも不動産にでもしておけばいいわけです。
現状では、原油や不動産では商品は買えないため、原油や不動産と自由に交換可能なドルや円で資産を保有しているわけです。
そう考えると、仮想通貨で自由に商品が買えるのであれば、別に自分の資産はドルや円にしておく必要はないわけです。
ちょっと前までは、本がほしければ本屋にいけばよかったのですが、今では電子書籍の方が同じものを安く買えます。
ところが、電子書籍は本屋ではなく、ネットで購入するものなので、現金では購入することはめんどうです。
電子書籍はクレジットカードで購入することになりますが、世の中には子供とか、クレジットカードを持てない人も大勢います。
新興国では銀行口座も持てない人が大勢います。
電子書籍は単なる一例ですが、これだけネットが普及していると、自分が欲しいもの、欲しいサービスが現金では買えないということも増えてくるでしょう。
そこで、現金ではなくて、仮想通貨ではどうかというアイデアが生まれるわけです。
いまのところ、仮想通貨で実際に決済できるお店は多くないのですが、今後は仮想通貨が普及してくることは大いに考えられるわけです。